保険診療で使用される詰め物・かぶせ物の素材

コンポジットレジン充填(詰め物)

コンポジットレジン充填

小さな虫歯や欠けた歯に有効な治療

少しだけ歯が欠けた場合や、小さな虫歯を削った後にコンポジットレジンという歯科用の白いプラスチックを詰める治療法です。充填する箇所が小さい場合に使用されます。

自然の歯に近い色なので審美性が高く、治療期間も短いのですが、唾液を吸収するので長年の使用で変色したり擦り減ったりします。平均的な使用年数は5年前後とされています。

レジン充填は一応保険適応の治療法ですが、歯科医師の知識・テクニックの差が非常に出やすいため、歯科医院によっては保険外でレジン充填を行なっている場合もあります。

レジンは虫歯治療だけではなく、欠けた歯の形態の回復、歯に盛り足してすきっ歯を治したり、金属の部分をレジンに置き換えた金属アレルギーの予防、審美的な改善など様々な用途で使用されています。

長所
  • 色が歯に似ているので見た目が良い
  • 治療期間が短い(多くの場合、1~2日で治療が終わる)
  • 金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性が低い
  • 修理(リペア)が比較的簡単
  • 保険適用の場合は安価
短所
  • 時間が経つと変色し、見た目が悪くなってくることがある
  • 強度が強くないので、噛み合わせが強い方は欠けたり割れたりすることがある。(これは周囲の歯にとっては良いことなので「欠けてくれる」と表現されることもあります)
価格

700円~1,000円

保険診療3割負担の場合のおおよその治療費です。
初診料・検査の費用等は含まれおらず、治療方法や重症度で変わります。

硬質レジン前装冠(かぶせ物)

中身は金属(金銀パラジウム合金など)で、外から見える部分にのみレジン(プラスチックが貼り付けられているかぶせ物(差し歯・クラウン)です。 保険治療の場合、前から3番目までの前歯のかぶせ物を作る場合に使用できます。

硬質レジンは、保険適応なので治療費が安いというメリットがありますが、この「レジン」というのはいわゆる「プラスチック」なので、長年使用していると唾液を吸収して変色したり、擦り減ってしまうことがあります。

表側

裏側

長所
  • 色が歯に似ているので見た目が良い
  • 中身が金属なので強度が強く、ほとんでの部位に使用できる
  • 保険適応なので安価
短所
  • 時間が経つと変色する(見た目が悪くなってくる)
  • 裏側から金属が見える
  • 時間が経つと金属が錆びて溶け出し、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性が高い
  • 保険の適応範囲は前歯・犬歯のみ(前から3番目の歯まで)で奥歯には適応されない
価格

5,000円~6,000円

保険診療3割負担の場合のおおよその治療費です。
初診料・検査・型どりの費用等は含まれておらず、治療方法や重症度で変わります。

銀歯(詰め物/かぶせ物)

保険では「金銀パラジウム合金」と「ニッケルクロム合金」の2種類が、詰め物・かぶせ物に使用できる保険適応の金属として指定されています。
保険でかぶせ物(差し歯/クラウン)を作る場合には、基本的に前から4番目の歯より奥は全てこの銀歯になります。

銀歯インレー
銀歯クラウン
長所
  • 金属なので強度が強く、強い力がかかる部位にでも使用できます
  • 保険適応なので安価
短所
  • 金属なので見た目が良くない
  • 時間が経つと、溶け出した金属イオンが歯茎に沈着することで、歯と歯茎の境目に黒い線ができたり、歯茎が黒くなったり、紫っぽく変色したりする
  • 金属イオンが体内に取り込まれることで、金属アレルギーを引き起こすことがある
価格
詰め物 1,300円~1,800円
かぶせ物3,000円~5,000円

保険診療3割負担の場合のおおよその治療費です。
初診料・検査・型どりの費用等は含まれておらず、治療方法や重症度で変わります。